研究は自主的に!
岡山大学異分野基礎科学研究所 (理学部化学科) 教授
機能有機化学研究室 主宰 西原 康師
機能有機化学研究室での研究は,学生の自主的な研究意欲と教員の情熱・哲学が加味された「攻究」というべき共同作業です。
機能有機化学研究室では,有機金属錯体触媒を用いて,古典的な有機化学では不可能であった化学反応を可能にしていく研究をおこないます。有機金属錯体の中には空気や水に対して不安定で瞬時に分解するものも少なくないので,それらの化合物をアルゴンや窒素といった不活性ガス雰囲気下で扱うためのテクニックも習得しなければいけません。このような特殊技術の習得は,将来きっと役に立つはずです。
上記の目的を達成するために,これまでにない高い活性や選択性を発現するような新しい有機金属錯体触媒を設計・合成しなくてはなりません。そして,それらを用いて斬新かつ新規な有機合成反応を発見していきます。また,新しい反応を見つけるだけにとどまらず,合成した有機化合物の機能性にも着目し,将来,実用化できる材料の開発を目指していくことも重要だと考えています。
研究室はいわば,「第二の家族」のようなものです。いつでも,どこでも,教員や学生同士で大いにディスカッションしてください。研究報告における質疑応答に遠慮は無用です。「聞くは一時の恥,聞かぬは一生の恥」。その場で分からないことはどんどん質問しましょう。また,学生同士の自主的ディスカッションや勉強会を推奨します。研究は決して"やらされる"ものではなく,"自らがやるもの"です。自身の研究内容については,自身が一番詳しいのだ,という気概をもってください。
素晴らしい成果を手にしたときの喜びは何をもっても代え難いものです。研究が思ったように進まず,苦しいことや辛い期間があっても,「継続は力なり」。その先に必ず存在している新事実の発見や自らからが設定した目標を達成することで自信につながり,将来,困難に遭遇したときにも乗り越えることができると思います。
機能有機化学研究室では,英語教育,海外留学にも力を入れています。研究活動を通じて,研究室内だけでなく,国内,海外の研究者と大いに交流しましょう。それには,英語の習得が不可欠です。研究生活を介して,人生を大いに楽しみましょう。
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