分析・測定機器・その他分離用機器
・ゲル浸透クロマトグラフィー分析装置
JASCO 社製 GPC-900
細孔ポアが数多く存在する充てん剤を用いたカラムを用い,そこに高分子溶液を流します。大小の溶質分子がカラム内を流れていく際に,小さい溶質分子は充てん剤細孔ポアの奥まで浸透しながらゆっくり流れ,大きい溶質分子は細孔に入らないで早く流れていきます。その結果,カラムからの溶出は大きな分子が速く小さな分子は遅くなり,分子の大きさによるふるい分けを行うことできます。
・フーリエ変換赤外分光光度計 (IR)
㈱島津製作所製 IRPrestige-21
物質に赤外線を照射すると,ある波長の光が選択的に吸収を受けます。物質を透過した赤外線の強さを縦軸に,波数を横軸にとって記録すると赤外線吸収スペクトルが得られます。この赤外線吸収スペクトルは人間の指紋と同じように,その物質固有のものですから,その物質が何であるかを知るために非常に有効に利用することができます。
・紫外-可視分光光度計 (UV-Vis)
㈱島津製作所製 UV-2450
紫外可視分光光度計は,分子の電子エネルギー遷移を起こす紫外から可視部 (200nm~780nm) の波長の光を用いて分光吸光分析をおこなう装置です.分子がこの波長領域の光を吸収すると励起状態に遷移しますが,この遷移は特定の波長を持った光の吸収に対して起こる物質固有のものです。そこでこの吸収強度を入射する光の波長に対して測定すれば物質の性質やその存在量を知ることができます.
・分光蛍光光度計
㈱島津製作所製 RF-5300PC
分子に光を照射すると,光を吸収したのちそのエネルギーを光として放出します。これを蛍光とよび,この光のスペクトルと強度を測定することにより,試料の性質と濃度を調べることができます。蛍光分析法の特徴は,蛍光を出す分子種が比較的限られていることから目的とする成分を選択的に検出することができることです。また,吸光分析法に比べて高感度なので試料が低濃度でもの測定が可能です。
・旋光度計
堀場製作所製 SEPA-300
光学活性化合物の旋光度を測定する機器です。物有機体の構成物質の多くは直線偏光の偏光面を回転させる性質(旋光性)を持っています。このような物質は一般的に光学活性物質(旋光性物質)と総称されています。旋光性物質はその分子の立体配置が互いに一対の対掌体の関係にある光学異性体であり,光学異性体のおのおのは(R)・(S)命名法で表示され,両者はその旋光度が等しく,その回転方向が逆の関係(鏡像)にあるので,旋光計により容易に識別されます。
・ガスクロマトグラフ質量分析計 (GC-MS)
㈱島津製作所製 GCMS-QP2020 NX
ガスクロマトグラフ質量分析計は,有機化合物の定性・定量を行う分析装置であり,ガスクロマトグラフ(GC)と質量分析装置(MS)を結合した複合装置です。GCで分離した単一成分についてMSスペクトルを測定することにより成分の定性を行い,MSにより検出されたイオンの強度により定量をおこないます。それにより,有機化合物の分子量を測定することが可能で,新しい反応の開発には欠かせない装置となっています。
・ガスクロマトグラフ (GC)
㈱島津製作所製GC-8A
ガスクロマトグラフは,クロマトグラフィーの一種であり,気化しやすい化合物の同定・定量に用いられる機器分析の手法です。反応の追跡や化合物の収率を算出するために用いています。この装置も反応開発のためにはなくてはならない汎用装置です。
・分取用高速液体クロマトグラフィー (HPLC)
日本分析工業㈱製 LC-9201
分取HPLCでは大口径カラムと10ml~20ml/分程度の溶媒を流しながら,カラムから流出した成分を分取しながら回収します。分取する化合物を検出するために,検出器として示差屈折率検出器 (RI) と紫外吸光度検出器 (UV) を用います。
・ガラスチューブオーブン
柴田科学㈱製 MODEL GTO-250RS
ガラスチューブオーブンとは,減圧下で過熱しながら小容量のサンプルを蒸留/分留/乾燥/昇華させることができる小容量真空加熱装置のことです。減圧下で回転,加熱ができますので,熱過敏物質や高沸点物質の処理を簡単に迅速におこなうことができます。サンプル容器はガラス製で,減圧加熱中の内部のサンプルを観察することが可能です。一般的にはクーゲルロール《クーゲルロール:Kugelrohr(ドイツ語) 球(Kugel)と棒(Rohr)》とも言われます。
・ロータリーエバポレーター
BUCHI(ビュッヒ)製 RII バス付き
ロータリーエバポレーターとは,減圧することによって液体を積極的に蒸発させる機能をもつ装置のことです。多くは,分液操作や濾過操作の後に,生成物の単離,精製をおこなうために自動的に減圧蒸留をおこなって比較的低沸点の化合物を除去するために汎用されます。この機種では,減圧度の微細に調整できるため,除去したい揮発性化合物のみを選択的に除去することが可能です。
・マグネチックスターラー付低温恒温水槽
東京理化器械㈱製 PSL-1810 (-80 - 0 度),PSL-1400 (-40 - 0 度)
低温かつ恒温での合成反応実験が可能です。この装置をつかうと,ドライアイスや氷なしで,何時間でも温度を一定に保つことができますので手間がかかりません。また,槽内の溶液を強力な撹拌子が撹拌し,さらに反応容器内の撹拌子が撹拌するので,反応温度を精度よく均一に保持することができます。
・グローブボックスシステム
韓国 KOREA KIYON 社製 KK-011AS
グローブボックスとは,外気と遮断された状況下で作業が可能となるように,内部に手だけが入れられるよう設計された密閉容器のことです。ボックスの横にゴム製のグローブが直結してあるため,外気を遮断した作業が可能となります。高純度の窒素といった不活性ガス下で,大気に不安定な物質を取り扱うために用います。ボックス内部との物体のやり取りは,真空チャンバーと呼ばれるボックスに隣接した小部屋を通じておこないます。
・高温ゲル浸透クロマトグラフィー分析装置
(株) TOSOH 社製 HLC-8321GPC/HT
通常の高分子は,分子量が増加すると溶解性が大きく低下するため,室温の溶液に溶解しにくくなります。また,近年注目されている有機エレクトロニクスに用いる高分子は,非常に強い分子間相互作用を持つため,溶解性が低い傾向にあります。このような高分子の場合,室温では正常に分析をおこなうことが困難であり,高温下での測定が必要不可欠です。この装置では,220 ℃までの高温条件下でも使用可能なゲル浸透クロマトグラフィー装置であり,室温では測定不可能なサンプルも容易に分析が可能です。
・スピンコーター
ミカサ (株) 社製 Opticoat MS-A100
スピンコート法は,有機化合物の薄膜を作製する手法の一つです。有機化合物を溶解させた溶液を,薄膜を形成する基板上に滴下し,400 ~ 8000 rpm (回転/分) の速度で高速回転させると,遠心力により非常に薄く,均一な液体の層が生成すると同時に溶媒が気化することで薄膜ができるというものです。容易に薄膜を作製できる塗布プロセスの一つであり,実験室レベルでの薄膜作製において,優れた手法です。
・真空蒸着装置
コスモサイエンス社製 YVD-COS-S1-8C-MV 1100
一般に低い気圧下であると,水の沸点が低くなるように,高融点の金属や無機化合物も通常より容易に気化または昇華します。この現象を利用した薄膜の作製法が真空蒸着法であり,金属や難溶性の有機薄膜を作製する手法として広く用いられています。具体的には,10-5 Pa の高真空下,タングステンなどの高い融点を持つ金属ボートあるいは石英るつぼを加熱し,その上部に設置してある基板に蒸発させることで薄膜を作製します。
・UV-オゾンクリーナー
メイワフォーシス社製 PC-440
有機太陽電池や有機トランジスタも無機半導体と同様に,用いる基板が汚染されていると特性が著しく低下します。そのため,洗剤などを用いた洗浄に加え,より汚れを除去する洗浄が必要不可欠です。この UV-オゾンクリーナーは,内部で強い紫外線を照射することでオゾンガスを発生させる装置です。発生したオゾンガスの強い酸化力により,有機物の汚れは大部分が分解できます。
・振とう溶解ろ過装置
(株) TOSOH 社製 DF-8321
セットしたサンプル溶液を左右に激しく振ることで溶解させる装置です。磁気回転子などで撹拌することで高分子鎖が切れるようなサンプルなどを,より穏和な条件で溶かすことができます。また,付属のステンレスメッシュを用いることで同時にろ過することも可能です。
・有機薄膜太陽電池評価システム
擬似太陽光照射装置
(株) 分光計器社製 OTENTOSUN III-G2
型電流-電圧計
Keithley 社製 2401 型リモートソースメータ
太陽光は,地上や極点,上空,大気圏外など様々な場所によってスペクトル分布が大きく異なります。これは,地球に大気やオゾン層によって光が干渉するためです。また,蛍光灯やハロゲンランプなどの人工的な光とも違うスペクトルを持つことはいうまでもありません。そのため,太陽光を電気へと変換する効率,すなわち変換効率を正確に定めるためには,できるだけある特定の場所の太陽光スペクトルと強度を持つ基準が必要となります。国際的に決められた基準では,空気質量 (エアマス,air-mass, AM) で1.5,光強度が 100 mW cm-2 を標準とするため,太陽電池の評価にはこの特殊な擬似太陽光照射装置を用います。上記は,地球上で最も人口の集中している緯度 40° 付近にある光を基準にしています。また,発生した光電流や光起電力は,PC から遠隔操作が可能なソースメータを用いておこないます。
・有機電界効果トランジスタ評価システム
ソース・メジャーユニット
Keithley 社製 2400 型リモートソースメータ
Keithley 社製 6430 型サブフェムトアンペアリモートソースメータ
有機電界効果トランジスタは,ソース,ドレイン,ゲートと呼ばれる三つの端子からなり,ゲートに電圧を印加した状態でソース・ドレイン間に電位差を与えることで電流が流れるものです。そのため,それぞれを異なる電源により独立して制御することが必要となります。また,有機電界効果トランジスタは,高い電流値の (オン) 状態と電流が流れない (オフ) 状態,すなわちスイッチングの機能も評価する必要があります。そのため,これらの特殊な電源を用いることでピコアンペアもしくはフェムトアンペアレベルの微小電流が測定可能です。
・マイクロ波照射反応装置
Biotage 社製 initiator
物質は,マイクロ波を吸収するとそのエネルギーに応じて振動を繰り返し,熱を放出します。電子レンジは,この現象を利用したもので,食べ物に含まれる水分子がマイクロ波を吸収し,振動することで温めることが可能となります。この装置は,電子レンジをさらに強力にしたもので,マイクロ波が反応容器に一点集中するため,容易に高温状態にすることが可能です。また,反応容器を密閉に保てる構造となっており,高温・加圧での反応が可能となることから,通常よりも短い時間で反応をおこなうことができます。
・分取用高速液体クロマトグラフィー (HPLC)
(株) 島津製作所製 LC-20AP/RID-10A
より大口径のカラムを備えた HPLC であるため,これまで用いていた HPLC よりも分取できるサンプル量が約3倍多くなります。大量に合成したサンプルを精製するときに用います。
・真空型グローブボックス
グローブボックス・ジャパン社製 GBJV065 型
ポンプで真空にした後,不活性ガスを入れる置換型のグローブボックスです。循環型グローブボックスまでの不活性雰囲気にはなりませんが,より簡便に用いることができるものです。
・ゲル浸透クロマトグラフィー分析装置
JASCO 社製 GPC-900
細孔ポアが数多く存在する充てん剤を用いたカラムを用い,そこに高分子溶液を流します。大小の溶質分子がカラム内を流れていく際に,小さい溶質分子は充てん剤細孔ポアの奥まで浸透しながらゆっくり流れ,大きい溶質分子は細孔に入らないで早く流れていきます。その結果,カラムからの溶出は大きな分子が速く小さな分子は遅くなり,分子の大きさによるふるい分けを行うことできます。
・フーリエ変換赤外分光光度計 (IR)
㈱島津製作所製 IRPrestige-21
物質に赤外線を照射すると,ある波長の光が選択的に吸収を受けます。物質を透過した赤外線の強さを縦軸に,波数を横軸にとって記録すると赤外線吸収スペクトルが得られます。この赤外線吸収スペクトルは人間の指紋と同じように,その物質固有のものですから,その物質が何であるかを知るために非常に有効に利用することができます。
・紫外-可視分光光度計 (UV-Vis)
㈱島津製作所製 UV-2450
紫外可視分光光度計は,分子の電子エネルギー遷移を起こす紫外から可視部 (200nm~780nm) の波長の光を用いて分光吸光分析をおこなう装置です.分子がこの波長領域の光を吸収すると励起状態に遷移しますが,この遷移は特定の波長を持った光の吸収に対して起こる物質固有のものです。そこでこの吸収強度を入射する光の波長に対して測定すれば物質の性質やその存在量を知ることができます.
・分光蛍光光度計
㈱島津製作所製 RF-5300PC
分子に光を照射すると,光を吸収したのちそのエネルギーを光として放出します。これを蛍光とよび,この光のスペクトルと強度を測定することにより,試料の性質と濃度を調べることができます。蛍光分析法の特徴は,蛍光を出す分子種が比較的限られていることから目的とする成分を選択的に検出することができることです。また,吸光分析法に比べて高感度なので試料が低濃度でもの測定が可能です。
・旋光度計
堀場製作所製 SEPA-300
光学活性化合物の旋光度を測定する機器です。物有機体の構成物質の多くは直線偏光の偏光面を回転させる性質(旋光性)を持っています。このような物質は一般的に光学活性物質(旋光性物質)と総称されています。旋光性物質はその分子の立体配置が互いに一対の対掌体の関係にある光学異性体であり,光学異性体のおのおのは(R)・(S)命名法で表示され,両者はその旋光度が等しく,その回転方向が逆の関係(鏡像)にあるので,旋光計により容易に識別されます。
・ガスクロマトグラフ質量分析計 (GC-MS)
㈱島津製作所製 GCMS-QP2020 NX
ガスクロマトグラフ質量分析計は,有機化合物の定性・定量を行う分析装置であり,ガスクロマトグラフ(GC)と質量分析装置(MS)を結合した複合装置です。GCで分離した単一成分についてMSスペクトルを測定することにより成分の定性を行い,MSにより検出されたイオンの強度により定量をおこないます。それにより,有機化合物の分子量を測定することが可能で,新しい反応の開発には欠かせない装置となっています。
・ガスクロマトグラフ (GC)
㈱島津製作所製GC-8A
ガスクロマトグラフは,クロマトグラフィーの一種であり,気化しやすい化合物の同定・定量に用いられる機器分析の手法です。反応の追跡や化合物の収率を算出するために用いています。この装置も反応開発のためにはなくてはならない汎用装置です。
・分取用高速液体クロマトグラフィー (HPLC)
日本分析工業㈱製 LC-9201
分取HPLCでは大口径カラムと10ml~20ml/分程度の溶媒を流しながら,カラムから流出した成分を分取しながら回収します。分取する化合物を検出するために,検出器として示差屈折率検出器 (RI) と紫外吸光度検出器 (UV) を用います。
・ガラスチューブオーブン
柴田科学㈱製 MODEL GTO-250RS
ガラスチューブオーブンとは,減圧下で過熱しながら小容量のサンプルを蒸留/分留/乾燥/昇華させることができる小容量真空加熱装置のことです。減圧下で回転,加熱ができますので,熱過敏物質や高沸点物質の処理を簡単に迅速におこなうことができます。サンプル容器はガラス製で,減圧加熱中の内部のサンプルを観察することが可能です。一般的にはクーゲルロール《クーゲルロール:Kugelrohr(ドイツ語) 球(Kugel)と棒(Rohr)》とも言われます。
・ロータリーエバポレーター
BUCHI(ビュッヒ)製 RII バス付き
ロータリーエバポレーターとは,減圧することによって液体を積極的に蒸発させる機能をもつ装置のことです。多くは,分液操作や濾過操作の後に,生成物の単離,精製をおこなうために自動的に減圧蒸留をおこなって比較的低沸点の化合物を除去するために汎用されます。この機種では,減圧度の微細に調整できるため,除去したい揮発性化合物のみを選択的に除去することが可能です。
・マグネチックスターラー付低温恒温水槽
東京理化器械㈱製 PSL-1810 (-80 - 0 度),PSL-1400 (-40 - 0 度)
低温かつ恒温での合成反応実験が可能です。この装置をつかうと,ドライアイスや氷なしで,何時間でも温度を一定に保つことができますので手間がかかりません。また,槽内の溶液を強力な撹拌子が撹拌し,さらに反応容器内の撹拌子が撹拌するので,反応温度を精度よく均一に保持することができます。
・グローブボックスシステム
韓国 KOREA KIYON 社製 KK-011AS
グローブボックスとは,外気と遮断された状況下で作業が可能となるように,内部に手だけが入れられるよう設計された密閉容器のことです。ボックスの横にゴム製のグローブが直結してあるため,外気を遮断した作業が可能となります。高純度の窒素といった不活性ガス下で,大気に不安定な物質を取り扱うために用います。ボックス内部との物体のやり取りは,真空チャンバーと呼ばれるボックスに隣接した小部屋を通じておこないます。
・高温ゲル浸透クロマトグラフィー分析装置
(株) TOSOH 社製 HLC-8321GPC/HT
通常の高分子は,分子量が増加すると溶解性が大きく低下するため,室温の溶液に溶解しにくくなります。また,近年注目されている有機エレクトロニクスに用いる高分子は,非常に強い分子間相互作用を持つため,溶解性が低い傾向にあります。このような高分子の場合,室温では正常に分析をおこなうことが困難であり,高温下での測定が必要不可欠です。この装置では,220 ℃までの高温条件下でも使用可能なゲル浸透クロマトグラフィー装置であり,室温では測定不可能なサンプルも容易に分析が可能です。
・スピンコーター
ミカサ (株) 社製 Opticoat MS-A100
スピンコート法は,有機化合物の薄膜を作製する手法の一つです。有機化合物を溶解させた溶液を,薄膜を形成する基板上に滴下し,400 ~ 8000 rpm (回転/分) の速度で高速回転させると,遠心力により非常に薄く,均一な液体の層が生成すると同時に溶媒が気化することで薄膜ができるというものです。容易に薄膜を作製できる塗布プロセスの一つであり,実験室レベルでの薄膜作製において,優れた手法です。
・真空蒸着装置
コスモサイエンス社製 YVD-COS-S1-8C-MV 1100
一般に低い気圧下であると,水の沸点が低くなるように,高融点の金属や無機化合物も通常より容易に気化または昇華します。この現象を利用した薄膜の作製法が真空蒸着法であり,金属や難溶性の有機薄膜を作製する手法として広く用いられています。具体的には,10-5 Pa の高真空下,タングステンなどの高い融点を持つ金属ボートあるいは石英るつぼを加熱し,その上部に設置してある基板に蒸発させることで薄膜を作製します。
・UV-オゾンクリーナー
メイワフォーシス社製 PC-440
有機太陽電池や有機トランジスタも無機半導体と同様に,用いる基板が汚染されていると特性が著しく低下します。そのため,洗剤などを用いた洗浄に加え,より汚れを除去する洗浄が必要不可欠です。この UV-オゾンクリーナーは,内部で強い紫外線を照射することでオゾンガスを発生させる装置です。発生したオゾンガスの強い酸化力により,有機物の汚れは大部分が分解できます。
・振とう溶解ろ過装置
(株) TOSOH 社製 DF-8321
セットしたサンプル溶液を左右に激しく振ることで溶解させる装置です。磁気回転子などで撹拌することで高分子鎖が切れるようなサンプルなどを,より穏和な条件で溶かすことができます。また,付属のステンレスメッシュを用いることで同時にろ過することも可能です。
・有機薄膜太陽電池評価システム
擬似太陽光照射装置
(株) 分光計器社製 OTENTOSUN III-G2
型電流-電圧計
Keithley 社製 2401 型リモートソースメータ
太陽光は,地上や極点,上空,大気圏外など様々な場所によってスペクトル分布が大きく異なります。これは,地球に大気やオゾン層によって光が干渉するためです。また,蛍光灯やハロゲンランプなどの人工的な光とも違うスペクトルを持つことはいうまでもありません。そのため,太陽光を電気へと変換する効率,すなわち変換効率を正確に定めるためには,できるだけある特定の場所の太陽光スペクトルと強度を持つ基準が必要となります。国際的に決められた基準では,空気質量 (エアマス,air-mass, AM) で1.5,光強度が 100 mW cm-2 を標準とするため,太陽電池の評価にはこの特殊な擬似太陽光照射装置を用います。上記は,地球上で最も人口の集中している緯度 40° 付近にある光を基準にしています。また,発生した光電流や光起電力は,PC から遠隔操作が可能なソースメータを用いておこないます。
・有機電界効果トランジスタ評価システム
ソース・メジャーユニット
Keithley 社製 2400 型リモートソースメータ
Keithley 社製 6430 型サブフェムトアンペアリモートソースメータ
有機電界効果トランジスタは,ソース,ドレイン,ゲートと呼ばれる三つの端子からなり,ゲートに電圧を印加した状態でソース・ドレイン間に電位差を与えることで電流が流れるものです。そのため,それぞれを異なる電源により独立して制御することが必要となります。また,有機電界効果トランジスタは,高い電流値の (オン) 状態と電流が流れない (オフ) 状態,すなわちスイッチングの機能も評価する必要があります。そのため,これらの特殊な電源を用いることでピコアンペアもしくはフェムトアンペアレベルの微小電流が測定可能です。
・マイクロ波照射反応装置
Biotage 社製 initiator
物質は,マイクロ波を吸収するとそのエネルギーに応じて振動を繰り返し,熱を放出します。電子レンジは,この現象を利用したもので,食べ物に含まれる水分子がマイクロ波を吸収し,振動することで温めることが可能となります。この装置は,電子レンジをさらに強力にしたもので,マイクロ波が反応容器に一点集中するため,容易に高温状態にすることが可能です。また,反応容器を密閉に保てる構造となっており,高温・加圧での反応が可能となることから,通常よりも短い時間で反応をおこなうことができます。
・分取用高速液体クロマトグラフィー (HPLC)
(株) 島津製作所製 LC-20AP/RID-10A
より大口径のカラムを備えた HPLC であるため,これまで用いていた HPLC よりも分取できるサンプル量が約3倍多くなります。大量に合成したサンプルを精製するときに用います。
・真空型グローブボックス
グローブボックス・ジャパン社製 GBJV065 型
ポンプで真空にした後,不活性ガスを入れる置換型のグローブボックスです。循環型グローブボックスまでの不活性雰囲気にはなりませんが,より簡便に用いることができるものです。
JASCO 社製 GPC-900
細孔ポアが数多く存在する充てん剤を用いたカラムを用い,そこに高分子溶液を流します。大小の溶質分子がカラム内を流れていく際に,小さい溶質分子は充てん剤細孔ポアの奥まで浸透しながらゆっくり流れ,大きい溶質分子は細孔に入らないで早く流れていきます。その結果,カラムからの溶出は大きな分子が速く小さな分子は遅くなり,分子の大きさによるふるい分けを行うことできます。
㈱島津製作所製 IRPrestige-21
物質に赤外線を照射すると,ある波長の光が選択的に吸収を受けます。物質を透過した赤外線の強さを縦軸に,波数を横軸にとって記録すると赤外線吸収スペクトルが得られます。この赤外線吸収スペクトルは人間の指紋と同じように,その物質固有のものですから,その物質が何であるかを知るために非常に有効に利用することができます。
㈱島津製作所製 UV-2450
紫外可視分光光度計は,分子の電子エネルギー遷移を起こす紫外から可視部 (200nm~780nm) の波長の光を用いて分光吸光分析をおこなう装置です.分子がこの波長領域の光を吸収すると励起状態に遷移しますが,この遷移は特定の波長を持った光の吸収に対して起こる物質固有のものです。そこでこの吸収強度を入射する光の波長に対して測定すれば物質の性質やその存在量を知ることができます.
㈱島津製作所製 RF-5300PC
分子に光を照射すると,光を吸収したのちそのエネルギーを光として放出します。これを蛍光とよび,この光のスペクトルと強度を測定することにより,試料の性質と濃度を調べることができます。蛍光分析法の特徴は,蛍光を出す分子種が比較的限られていることから目的とする成分を選択的に検出することができることです。また,吸光分析法に比べて高感度なので試料が低濃度でもの測定が可能です。
堀場製作所製 SEPA-300
光学活性化合物の旋光度を測定する機器です。物有機体の構成物質の多くは直線偏光の偏光面を回転させる性質(旋光性)を持っています。このような物質は一般的に光学活性物質(旋光性物質)と総称されています。旋光性物質はその分子の立体配置が互いに一対の対掌体の関係にある光学異性体であり,光学異性体のおのおのは(R)・(S)命名法で表示され,両者はその旋光度が等しく,その回転方向が逆の関係(鏡像)にあるので,旋光計により容易に識別されます。
㈱島津製作所製 GCMS-QP2020 NX
ガスクロマトグラフ質量分析計は,有機化合物の定性・定量を行う分析装置であり,ガスクロマトグラフ(GC)と質量分析装置(MS)を結合した複合装置です。GCで分離した単一成分についてMSスペクトルを測定することにより成分の定性を行い,MSにより検出されたイオンの強度により定量をおこないます。それにより,有機化合物の分子量を測定することが可能で,新しい反応の開発には欠かせない装置となっています。
㈱島津製作所製GC-8A
ガスクロマトグラフは,クロマトグラフィーの一種であり,気化しやすい化合物の同定・定量に用いられる機器分析の手法です。反応の追跡や化合物の収率を算出するために用いています。この装置も反応開発のためにはなくてはならない汎用装置です。
日本分析工業㈱製 LC-9201
分取HPLCでは大口径カラムと10ml~20ml/分程度の溶媒を流しながら,カラムから流出した成分を分取しながら回収します。分取する化合物を検出するために,検出器として示差屈折率検出器 (RI) と紫外吸光度検出器 (UV) を用います。
柴田科学㈱製 MODEL GTO-250RS
ガラスチューブオーブンとは,減圧下で過熱しながら小容量のサンプルを蒸留/分留/乾燥/昇華させることができる小容量真空加熱装置のことです。減圧下で回転,加熱ができますので,熱過敏物質や高沸点物質の処理を簡単に迅速におこなうことができます。サンプル容器はガラス製で,減圧加熱中の内部のサンプルを観察することが可能です。一般的にはクーゲルロール《クーゲルロール:Kugelrohr(ドイツ語) 球(Kugel)と棒(Rohr)》とも言われます。
BUCHI(ビュッヒ)製 RII バス付き
ロータリーエバポレーターとは,減圧することによって液体を積極的に蒸発させる機能をもつ装置のことです。多くは,分液操作や濾過操作の後に,生成物の単離,精製をおこなうために自動的に減圧蒸留をおこなって比較的低沸点の化合物を除去するために汎用されます。この機種では,減圧度の微細に調整できるため,除去したい揮発性化合物のみを選択的に除去することが可能です。
東京理化器械㈱製 PSL-1810 (-80 - 0 度),PSL-1400 (-40 - 0 度)
低温かつ恒温での合成反応実験が可能です。この装置をつかうと,ドライアイスや氷なしで,何時間でも温度を一定に保つことができますので手間がかかりません。また,槽内の溶液を強力な撹拌子が撹拌し,さらに反応容器内の撹拌子が撹拌するので,反応温度を精度よく均一に保持することができます。
韓国 KOREA KIYON 社製 KK-011AS
グローブボックスとは,外気と遮断された状況下で作業が可能となるように,内部に手だけが入れられるよう設計された密閉容器のことです。ボックスの横にゴム製のグローブが直結してあるため,外気を遮断した作業が可能となります。高純度の窒素といった不活性ガス下で,大気に不安定な物質を取り扱うために用います。ボックス内部との物体のやり取りは,真空チャンバーと呼ばれるボックスに隣接した小部屋を通じておこないます。
(株) TOSOH 社製 HLC-8321GPC/HT
通常の高分子は,分子量が増加すると溶解性が大きく低下するため,室温の溶液に溶解しにくくなります。また,近年注目されている有機エレクトロニクスに用いる高分子は,非常に強い分子間相互作用を持つため,溶解性が低い傾向にあります。このような高分子の場合,室温では正常に分析をおこなうことが困難であり,高温下での測定が必要不可欠です。この装置では,220 ℃までの高温条件下でも使用可能なゲル浸透クロマトグラフィー装置であり,室温では測定不可能なサンプルも容易に分析が可能です。
ミカサ (株) 社製 Opticoat MS-A100
スピンコート法は,有機化合物の薄膜を作製する手法の一つです。有機化合物を溶解させた溶液を,薄膜を形成する基板上に滴下し,400 ~ 8000 rpm (回転/分) の速度で高速回転させると,遠心力により非常に薄く,均一な液体の層が生成すると同時に溶媒が気化することで薄膜ができるというものです。容易に薄膜を作製できる塗布プロセスの一つであり,実験室レベルでの薄膜作製において,優れた手法です。
コスモサイエンス社製 YVD-COS-S1-8C-MV 1100
一般に低い気圧下であると,水の沸点が低くなるように,高融点の金属や無機化合物も通常より容易に気化または昇華します。この現象を利用した薄膜の作製法が真空蒸着法であり,金属や難溶性の有機薄膜を作製する手法として広く用いられています。具体的には,10-5 Pa の高真空下,タングステンなどの高い融点を持つ金属ボートあるいは石英るつぼを加熱し,その上部に設置してある基板に蒸発させることで薄膜を作製します。
メイワフォーシス社製 PC-440
有機太陽電池や有機トランジスタも無機半導体と同様に,用いる基板が汚染されていると特性が著しく低下します。そのため,洗剤などを用いた洗浄に加え,より汚れを除去する洗浄が必要不可欠です。この UV-オゾンクリーナーは,内部で強い紫外線を照射することでオゾンガスを発生させる装置です。発生したオゾンガスの強い酸化力により,有機物の汚れは大部分が分解できます。
(株) TOSOH 社製 DF-8321
セットしたサンプル溶液を左右に激しく振ることで溶解させる装置です。磁気回転子などで撹拌することで高分子鎖が切れるようなサンプルなどを,より穏和な条件で溶かすことができます。また,付属のステンレスメッシュを用いることで同時にろ過することも可能です。
擬似太陽光照射装置
(株) 分光計器社製 OTENTOSUN III-G2 型電流-電圧計
Keithley 社製 2401 型リモートソースメータ
太陽光は,地上や極点,上空,大気圏外など様々な場所によってスペクトル分布が大きく異なります。これは,地球に大気やオゾン層によって光が干渉するためです。また,蛍光灯やハロゲンランプなどの人工的な光とも違うスペクトルを持つことはいうまでもありません。そのため,太陽光を電気へと変換する効率,すなわち変換効率を正確に定めるためには,できるだけある特定の場所の太陽光スペクトルと強度を持つ基準が必要となります。国際的に決められた基準では,空気質量 (エアマス,air-mass, AM) で1.5,光強度が 100 mW cm-2 を標準とするため,太陽電池の評価にはこの特殊な擬似太陽光照射装置を用います。上記は,地球上で最も人口の集中している緯度 40° 付近にある光を基準にしています。また,発生した光電流や光起電力は,PC から遠隔操作が可能なソースメータを用いておこないます。
ソース・メジャーユニット
Keithley 社製 2400 型リモートソースメータ
Keithley 社製 6430 型サブフェムトアンペアリモートソースメータ
有機電界効果トランジスタは,ソース,ドレイン,ゲートと呼ばれる三つの端子からなり,ゲートに電圧を印加した状態でソース・ドレイン間に電位差を与えることで電流が流れるものです。そのため,それぞれを異なる電源により独立して制御することが必要となります。また,有機電界効果トランジスタは,高い電流値の (オン) 状態と電流が流れない (オフ) 状態,すなわちスイッチングの機能も評価する必要があります。そのため,これらの特殊な電源を用いることでピコアンペアもしくはフェムトアンペアレベルの微小電流が測定可能です。
Biotage 社製 initiator
物質は,マイクロ波を吸収するとそのエネルギーに応じて振動を繰り返し,熱を放出します。電子レンジは,この現象を利用したもので,食べ物に含まれる水分子がマイクロ波を吸収し,振動することで温めることが可能となります。この装置は,電子レンジをさらに強力にしたもので,マイクロ波が反応容器に一点集中するため,容易に高温状態にすることが可能です。また,反応容器を密閉に保てる構造となっており,高温・加圧での反応が可能となることから,通常よりも短い時間で反応をおこなうことができます。
(株) 島津製作所製 LC-20AP/RID-10A
より大口径のカラムを備えた HPLC であるため,これまで用いていた HPLC よりも分取できるサンプル量が約3倍多くなります。大量に合成したサンプルを精製するときに用います。
グローブボックス・ジャパン社製 GBJV065 型
ポンプで真空にした後,不活性ガスを入れる置換型のグローブボックスです。循環型グローブボックスまでの不活性雰囲気にはなりませんが,より簡便に用いることができるものです。