研究内容
当研究室のテーマレーザー励起蛍光法と電気泳動法を利用する生体関連物質の化学計測法の開発と応用
研究課題
- タンパク質の高感度計測法の開発と応用
- 単一分子計測法の開発と生体物質計測への応用
- アダマール変換を利用する電気泳動法の実試料分析への応用
- 新規細胞膜タンパク質分離法の開発
- 単一細胞計測法の開発と応用
実試料分析への応用を目指した基礎研究を行っています。
1. タンパク質の高感度計測法の開発と応用
タンパク質は生体の機能を維持する重要な生体物質です。
その機能や分布は様々であり、目的に応じて極微量のタンパク質を計測することは、
生命現象を解明するために必要不可欠な技術です。
抗原抗体反応を利用して、目的タンパク質を高感度に計測するための手法を開発しています。
抗体の蛍光標識反応における生成物の解析や高純度蛍光プローブの精製に関する研究を進めています。
2.単一分子計測法の開発と生体物質計測への応用
レーザー励起蛍光法は単一分子を計測できる感度を持っています。
本研究室では細胞内の生体物質を単一分子レベルで計測するための手法を開発しています。
種々の蛍光物質により目的分子を標識し、単一分子レベルでの反応を追跡するためのシステムを構築します。
3.アダマール変換を利用する電気泳動法の実試料分析への応用
アダマール変換法は、フーリエ変換と同様の数学的な変換方法です。
この方法を電気泳動法に応用することで、数十分子を分離して計測することも可能になります。
この高感度検出を生体物質計測に応用し、タンパク質やDNAの高感度分析を実現します。
4. 新規細胞膜タンパク質分離法の開発
タンパク質の計測には主に二次元電気泳動法と質量分析法が利用されています。
しかし、これらの方法を脂溶性の細胞膜タンパク質に応用することは困難です。
そこで、膜タンパク質を分離精製するための新しい手法の開発に取り組んでいます。
この方法が実現できれば、細胞膜タンパク質の機能解明に大きく貢献できます。
5. 単一細胞計測法の開発と応用
細胞は生命の活動を支える最小の単位であり、その活動を維持する機構は非常に複雑です。
また、細胞には細胞周期があり、各段階で発現するタンパク質にも差異があります。
したがって、細胞の機能を解析するためには、個々の単一細胞内の化学成分を解析することが重要です。
単一の細胞を計測するための新しいシステムを開発し、実分析に応用する研究を行っています。