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最近の研究紹介(理論物理化学研究室)「細胞骨格上を二足歩行する生体分子モーターの設計原理」

記録日 : 2018年05月09日 | 更新日 : 2018年05月15日

細胞内では、生命維持において重要な物質を必要な場所へ運び込むために、生体分子モーターとよばれる多種多様なタンパク質が、常に働き続けています。その中でも、キネシンとミオシンVは、主要な細胞内物質輸送を担うモータータンパク質であり、生命のエネルギー通過と呼ばれるアデノシン三リン酸(ATP)の加水分解反応エネルギーを利用して、細胞骨格上での二足歩行を実現することが知られています。しかしながら、その動作機構に関して、これまでに様々な学説が唱えられており、論争が続いています。

本研究では、キネシンとミオシンVを対象に、観測結果とその数理モデリングを駆使して、二足歩行を実現するための設計原理と動作メカニズムを明らかにしました。また、ATPから得られる化学反応エネルギーを、力学的仕事へ変換する効率は、従来期待されていた値よりも低い15%程度であることが明らかとなりました。細胞内には他にも、F1-ATPaseの様に回転分子モーターとしての機能を持つものも存在しており、100%エネルギー変換効率の可能性が示唆されています。本研究成果は、これらの分子モーターが進化の過程で獲得してきた動作機構と、それが実現するエネルギー変換効率の統一的理解に向けた、重要な知見であるといえます。

岡山大学プレスリリース「二足歩行する“細胞内の運び屋” モータータンパク質「キネシン」の設計原理を解明(2017426)

岡山大学プレスリリース「二足歩行する“細胞内の運び屋” モータータンパク質「ミオシンV」の動作機構を解明(20171018)

発表論文等

Tomonari Sumi, “Design principles governing chemomechanical coupling of kinesin” Scientific Reports 7, 1163 (2017). doi:10.1038/s41598-017-01328-9

Tomonari Sumi, “Myosin V: Chemomechanical-coupling ratchet with load-induced mechanical slip” Scientific Reports 7, 13489 (2017). doi:10.1038/s41598-017-13661-0

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