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岡山大学理学部化学科
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注目の研究

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最近の研究紹介(無機化学研究室)活性炭は金属イオンの除去が苦手?

記録日 : 2019年09月30日 [NEW]

  空気中の不快なにおい成分や水中の有害物質を取り除く目的で、現在では様々な吸着・分離材料が開発されています。その中でも活性炭は浄水器やエアコンのフィルターをはじめ、我々の身近でも多用されている材料の1つです。活性炭には取り除きたい分子やイオンのサイズと同程度の細孔が無数にあり、これらの細孔内に目的とする物質を閉じ込めることができます。実際、インジゴカルミン(食品添加物の青色2号として使われていて、ジーンズの青色染料であるインジゴからつくられる物質)が溶解した水溶液中に活性炭を加えると、インジゴカルミンのみが活性炭に吸着して透明な水を得ることができます(図1)。 図1  ...

最近の研究紹介(理論化学研究室)熱い氷を作るには?

記録日 : 2019年08月28日 | 更新日 : 2019年08月29日

→理論化学研究室 水の凍る温度(凝固点)を変えるにはどうしたらいいでしょうか? 何も混ぜなければ、水を冷やすと0℃で氷になりますが、塩やアルコールを混ぜることで、凍る温度をもっと低くすることは簡単にできます。塩を混ぜても、塩水が凍る時には塩が吐きだされて真水の氷ができることを利用して、水を凍らせて海水を淡水化しよう、というアイデアもありますが、淡水を作りたい地域は一般に気温が高いため、0℃以下まで水を冷やすためのエネルギーが馬鹿にならず、実用化には至っていません。 では、凍る温度を0℃よりも高くするには? 例えば、水が凍る温度を15℃ぐらいにできれば、ほどよく冷たくて、しかも冷たさ ...

分子で植物の成長を制御する(有機化学研究室)

記録日 : 2019年08月02日

この研究内容は岡山大学理学部生物学科、高橋卓教授および本瀬宏康准教授との共同研究による成果です。   植物には水やイオンが根から吸収され、その通り道となる維管束木部(ザイレム)と呼ばれる組織があります。この維管束木部に、ある特定の分子が蓄積すると木質化が進みます。木質化した部分が増え過ぎると植物の背丈は伸びなくなります。高橋教授と本瀬准教授のグループはこれまで、植物ホルモンであるサーモスペルミンが木部の分化(木質化)を抑える働きを示すことを発見していました。サーモスペルミンが合成されない変異体は木部の分化が促進され、成長が抑制されます。逆に木部の分化が抑制されると植物の成長は促進され ...

最近の研究紹介(分析化学研究室)プラズモンケミストリー

記録日 : 2019年06月27日

金、銀、プラチナといった貴金属は、指輪やネックレスなどのジュエリーとして使われ、とても高価なイメージがあります。このような貴金属は、装身具としてだけではなく、科学的にも、とても価値の高いものです。図中右上に赤色の液体の写真がありますが、実はこれも金です。金は、そのサイズを小さくすると、図のような赤色を帯びます。これは、直径が20〜30 nm(ナノメートル)の金の粒子が水に分散したもので、金ナノ粒子と呼ばれます。私たちが目で感じることのできる光の波長は数百nmですから、金ナノ粒子は、光の波よりも小さいことになります。金のサイズがここまで小さくなると、ちょうど電波を受信するアンテナのように、光(図 ...

モータータンパク質「F1回転分子モーター」のエネルギー変換効率を実証.これまでの定説より有意に下回ることが判明.

記録日 : 2019年06月22日 | 更新日 : 2019年06月25日

F1-ATPaseは生命のエネルギー通貨と呼ばれているATP(アデノシン3リン酸)の加水分解エネルギーを仕事へ変換する、タンパク質でできた回転分子モーター(図1)として知られており、一方細胞内では、生体膜内外のプロトン濃度差を利用して逆にATPを生成する、FOF1-ATP合成酵素の一部として働いています。ヒトの場合、1日で30kgものATP合成を担う、極めて重要なタンパク質です。 岡山大学異分野基礎科学研究所の墨智成准教授およびGöttingen 大学Stefan Klumpp教授は、F1分子モーターの1分子計測データを理論的に分析し、そのエネルギー変換効率は、分子内熱散 ...

疎水効果と疎水性相互作用

記録日 : 2019年05月27日 | 更新日 : 2019年05月28日

(以下は,物理学会誌に掲載される解説記事の概要と同じです.) 「水と油」のたとえ通り,両者の相互溶解度は極めて低い.25℃の水に対するヘキサンの溶解度は12.4 mg/kg (疎水効果),ヘキサンに対する水の溶解度は90 mg/kgである(疎油効果). さらに,水中の無極性分子間には分散力以上の引力相互作用(疎水性相互作用)が働く,とされている.このような疎水効果または疎水性相互作用は,水溶液中の両親媒性分子のミクロ構造体形成やタンパク質の天然構造安定性に不可欠な役割を果たすと考えられている.ところが,疎水効果と疎水性相互作用の特性と発現機構は十分整理,理解されているとは言い難い.ここでは3つ ...

最近の研究紹介 (物理化学研究室)抗酸化物質が持つ抗酸化能はどのように評価すべきか?

記録日 : 2019年04月03日

抗酸化物質には,体内に発生した過剰な活性酸素等を消去する働きがあります。したがって,その活性種による生体組織への損傷を防ぐため,抗酸化物質の適量の摂取が重要です。しかしながら,化粧品・食品等に含まれる抗酸化物質がどれだけの抗酸化能をもっているかを具体的な数値で表わす統一した指標作りは,様々な分野での緊急課題であり,遅々として進んでいないというべきです。 我々は,従来の抗酸化能評価法にかわり,短寿命活性種の濃度を直接追跡した迅速・正確な抗酸化物質の活性種消去能の定量化法として,近年開発された多重活性種消去能決定法(Multiple free-radical scavenging method ( ...

60年間支持されてきたタンパク質構造安定性理論の検証への挑戦 ~タンパク質折り畳みの駆動力がタンパク質内直接相互作用に起因することを示唆~

記録日 : 2019年03月28日 | 更新日 : 2019年04月01日

岡山大学異分野基礎科学研究所の墨智成准教授および甲賀研一郎教授は、タンパク質構造安定性のメカニズムを解析する新たな理論的計算手法を開発し、人工タンパク質Chignolinに適用しました。それにより、60年間幅広く信じられてきたタンパク質構造安定性の理論「疎水性相互作用仮説」とは異なる結論が、Chignolinに対して導かれました。折り畳みの駆動力は、周りに存在する水を介した「溶媒誘起力」というよりむしろ、「タンパク質内直接相互作用」に起因するという、極めてシンプルな結論です。本研究成果は、3月26日英国時間午前10時(日本時間午後7時)、英国の科学雑誌「Scientific Reports」掲 ...

最近の研究紹介 (錯体化学研究室)「スキャン速度に依存したスピンクロスオーバー挙動を示す鉄(II)錯体」

記録日 : 2019年01月28日 | 更新日 : 2019年02月06日

→錯体化学研究室ウェブページ 典型元素上には特殊な場合を除いて不対電子は安定に存在しないが、遷移金属イオン上には不対電子が安定に存在できる。このうち、マンガン、鉄、コバルトの6配位八面体型金属錯体中では、条件により不対電子数が最大になる高スピン状態と、最小になる低スピン状態の二つが存在する。条件が合うと、温度、圧力、光などの外部刺激により高スピン状態と低スピン状態が可逆的に変化する現象が観測される。この現象をスピンクロスオーバー現象という。 スピンクロスオーバー現象をは主に磁化率の温度変化の測定で確認するが、鉄(II)錯体の場合には、高スピン状態と低スピン状態の割合を求めることができ ...

最近の研究紹介 (反応有機化学研究室) 「カメレオンのように発光色を変える蛍光色素の開発」

記録日 : 2019年01月19日 | 更新日 : 2019年01月28日

→反応有機化学研究室 蛍光とは 蛍光は,色素が光のエネルギーを吸収して非常に大きなエネルギーをもつ励起状態となり,励起状態の色素が蓄えたエネルギーを光として放出する現象です.なんだか難しそうに思えますが,蛍光色素は身の回りにもたくさん使われています.例えば,蛍光ペンには黄色やオレンジ,ピンクに光る蛍光色素が使われています.蛍光ペンを,ブラックライトの紫外線の下で見ると蛍光色素が鮮やかに光るのが観測できます.入浴剤には水に溶かすと黄緑色に光っているように見えるものがありますが,これには黄色202号(フルオレセインナトリウム)という蛍光剤が含まれていています.蛍光色素には非常に多くの種類 ...

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