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Recent Research Topic from Inorganic Chemistry Laboratory: Novel Chemical Reaction with Nanospace

Posted on : September 10, 2018 | Modified on : September 12, 2018

化学では分子やイオンを基本単位として考えると理解できる現象が数多く存在します。分子やイオンのサイズは通常、100万分の1 mm程度のオーダー、つまり1 nm(ナノメートル)程度です。「ナノサイエンス」という言葉が有名ですが、「ナノ」とは分子やイオン程度の極めて微小なサイズのことを指しています。このサイズ領域は決して人間の目でとらえることはできません。そのため、我々はX線などを使った構造解析や理論計算などを駆使して目では見えない領域で起こる現象を明らかにしてきています。

物質には固体・液体・気体と3つの状態がありますが、一部の固体材料はナノサイズの空間(ナノ空間)を形成することができます。このナノ空間には、私たちの生活を変える可能性が隠されているのです。例えば、浄水器に使われる「活性炭」には、たくさんのナノ空間が存在し、匂いや汚れの成分をそこに引き寄せるという性質があります。この現象を「吸着」と呼びます。現在では数多くの吸着材が開発され、原発事故にともなう放射性物質の除去や、宇宙ステーション内の二酸化炭素の除去など、様々な形で利用されています。

化学合成でも、これまでは一定の条件がなければ不可能だったことが、ナノ空間という条件下であれば反応が一気に進む場合があることがわかってきました。例えば、船底に塗る材料の一つに亜酸化銅という物質があります。亜酸化銅を合成するには、酢酸銅を高温・高圧の状態にしたり、紫外線や還元剤を使ったりする必要がありました。しかし酢酸銅水溶液にカーボンナノチューブを分散させて酢酸銅をナノ空間に吸着させると、分子が極小空間に入って歪められ、比較的不安定な状態となり、反応性が高くなります。ナノ空間の分子に対する閉じ込め効果により、紫外光よりも更にエネルギーの低い可視光で容易に反応し、還元剤がなくても亜酸化銅になることがわかりました。このように、ナノ空間はこれまでに見たこともないような化学反応をもつくり出すことができるポテンシャルを秘めているのです。

発表論文

“Nanospace-enhanced photoreduction for the synthesis of copper(I) oxide nanoparticles under visible-light irradiation” T. Ohkubo, M. Ushio, K. Urita, I. Moriguchi, B. Ahmmad, A. Itadani, and Y. Kuroda, J. Colloid Interface Sci. 421, 165-169 (2014).

「単層カーボンナノチューブを反応容器として使う―ナノ制約銅錯体の可視光還元反応―」大久保貴広, 材料表面 2, 16-23 (2017).

参考:高校生向け記事(夢ナビwebsite

FIgure 1

Figure. 単層カーボンナノチューブ(SWCNT)のナノ空間を利用した新規反応経路の概念図.

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